数年前から、徐々に増えてきているのが、作家さんやデザイナーさんからのお問合せです。ときどきですが、そのような案件はなぜか重って集中したりします。
作家さんやデザイナーさんから依頼されるものは、パッケージや店舗用の什器であったり、ときにそれらの延長線上にある、パッケージのような、ディスプレイのような、それでいて、その範疇に収まりきらない、見たこともないようなモノであったりします。
いままでに存在しない世界をゼロから造りだす彼らの作業に、モノづくりの面で協力させていただくことは、通常の見積案件とちがって、ひとつのプロジェクトに参加する体験であり、大変な仕事になりがちですが、どこか心待ちにしているところもあります。
慣れないうちは、それら形容しがたいモノの製作や、ときに不合理に思える手順を踏まざるをえない依頼に対して、戸惑いを感じることもありましたが、ちかごろは慣れがでてきて、このような仕事に大きな学びの機会と面白さが含まれていることがわかり、内容にはよりますが、なるべく前向きに参加させていただくようにしています。
効率や収益性の予測に終始することなく、真剣にモノに向きあい、イメージを具現化しようとしている製作者のプロジェクトは、ゼロからリサーチから始めたり、お互いの交わす言葉や意思のレベルを手探りしながらあわせたりと、カタチが見えてくるまでは暗闇のなかを手探りで歩くような不安がつきものですが、心のどこかでこのようなチャレンジングな”モノづくりの冒険”を待ち望んでいるフシがあります。
あたらしい冒険を期待しつつ、日々の仕事を丁寧にこなすことでクリエイターのパワーに伍するチカラを貯めておきたいと思っています。