弊社はモノづくりメーカーですが、モノを造り仕上げるのは仕事のプロセスの最終段階にすぎず、お問合せいただいてから納品にいたるプロセスの大部分は、お客様、社内、材料メーカー、制作現場などそれぞれの必要な情報を整理・調整して、伝えきることがじつは仕事のほとんどを占めています。
お客様、社内メンバー、インドネシアの自社工場のメンバー、材料の仕入先や外注加工をお願いするパートナーと、情報の交換、それぞれの都合の調整、意思疎通を何度となく繰り返すことが、お客様の課題を解決するための重要な作業です。
ただ、コミュニケーションはなかなか奥が深く、簡単に考えられる仕事ではないと常々感じます。
伝える側には ” 話したので、伝わっているはず ” という錯覚が生まれやすく、受け手のほうは ” 自分なりに理解したつもり ” と自己完結した理解に留まり、お互いに解像度の低い意思疎通のまま仕事を進行させることが、後々大きなロスを生むことがあります。
そこをあいまいにせずに踏ん張って、イメージや情報を共有できれば、おのずと仕事の成果となって現れます。それぞれの参加者との関係性を良い状態に保つことが、高い仕事の質につながっていくとして、弊社では、お客様との対話・コミュニケーションを重要視しています。
電話やメール、各種アプリなどのコミュニケーションツールは選びたい放題ですが、できるかぎり直接お会いして、対面でお互いの情報を整理して理解しあう機会を持つことが理想だと考えています。
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弊社は 紙材料・樹脂・金属・木材・ファブリックなどを組み合わせてものづくりをするので、社内で不可能な加工は、それぞれ専業の会社や職人さんにお願いすることになります。それぞれの仕事人がもつ、プロの視点や言語を、同じレベルで共有するには現場に何度も足を運んで、現場やものづくりのプロセスを理解する必要があります。それは一見、不合理に見えるかもしれませんが、私たちが繰り返し、知識を深め、ネットワークを拡げることが、そのようなプロセスに時間を使えないお客様になり代わり、私たちメーカーができる大切な仕事だと考えています。