東京の国立新美術館で開催されている ”カルティエ、時の結晶” 展を観てきました。
ジュエリーの美しさを愛でるのに、決して所有する必要はありません(高すぎて買えません)。
お店に観に行ったり、このような展覧会を観に行く、図書館などにある図録を観る、ということで十分に楽しめます。漆器や焼き物、洋服や建築物を観るのと同じ感覚で楽しめばいいと思います。
ジュエリーの面白さは、いろいろな素材が組み合わされて作られており、それぞれの素材に合った様々な技法が駆使されていることです。道具や加工技術の歴史、世界各国の文化的背景、歴史そのものの背景などを背景に、それぞれが生まれたことを想像すると、その美しさは石や金属がもつ素材の美しさだけにとどまることなく、線とフォルムの美しさ、またデザインの着想など、人間の加工技術への飽くなき探求が読み取れて、際限なく想像を走らせることができます。
弊社はジュエリー用のケースを造ることで創業し、いまもジュエリー用のパッケージをお造りすることがベースの仕事となっています。ジュエリーのように小さくて、作り手の想いと加工技術の詰まった商品をどのように包み飾れば、その商品の意味が無意識に働きかけ、瞬間的に伝わるのかを考えて提案することがわが社の仕事です。
その仕事をより高いレベルで果たせるように、自分たちは常に感覚と目を鍛えていきたいと思っています。まだまだ未熟ではありますが、私たちの役割を果たすためにも、ジュエリーだけでなく、つねに上質で本物のモノやサービスに触れる機会を求めなければと考えています。
カルティエ、時の結晶展