海外の展示会に出展されるジュエリーアーティストからの依頼です。最初は下記のようなipadで描かれたごく簡単なイメージイラストからスタートしました。
意思疎通をはかるためのコミュニケーション手段としてイラストはとても有効です。絵がヘタだから…と気にされる方も多いのですが、イラストやスケッチがうまく描かれている必要は必ずしもありません。あくまでコミュニケーションを補助する手段ですから。
これらのイラストから下の画像のようなカタチになって完成しました。依頼をいただいたアーティストには大変よろこんでいただき満足してもらえたようです。
初期段階のスケッチがカタチになるまでには、何度とないイメージのすり合わせがありました。サイズ・フォルム・素材・色・加工技術の制限はもちろん、意思疎通をはかるなかでLEDでケースを光らせようというアイデアなども加えられ、唯一無二のケースとディスプレイスタンドに仕上がりました。ちなみにご依頼数はケースが1個でディスプレイスタンドは20台です。
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お客様が一番望んでおられたのは、なによりご自身のイメージが想像した以上のカタチになって現されることでした。お互いにアイデアを出しながら、スケッチやイラストの助けを借りながらコミュニケーションを繰り返し、最終的にお客様のご要望にお応えすることができ、わたしたちにとってもとても満足のゆく仕事となりました。
モノを製作する行為は意外にも最終段階に発生するイベントで、モノによっては短時間で済んだりします。むしろ、材料のカットを始めるまでのコミュニケーションにかける時間と労力のほうがよほど長く大きくなるのが現実です。
イラストやスケッチは決して上手である必要はありません。まずはご自身のなかでイメージを明確にし、それをわたしたち作り手に解像度高く伝えるのに、イラストやスケッチはとても有効な手段となります。